科学で証明された「偏食・好き嫌い克服」に効果絶大な3つの方法〜子どもの偏食・好き嫌いには理由があった〜

2022年6月17日金曜日

子育て



子どもの好き嫌いや偏食に関するお悩みを抱えた、お父さん、お母さんは結構多いのではないでしょうか。
「うちの子は偏食で何も食べない」「好き嫌いが多くて困っている。」そんな子どもの偏食っぷりをみて、親御様によっては「私が甘やかしすぎたからなのではないか」などと育て方が悪かったのではないかということを考え、思い悩んでしまう親御様も少なくない。
今回はそんな子どもの偏食や好き嫌いに悩む親御様に是非読んでいただきたい。

子どもの半数は偏食持ち!?

子どもの偏食、好き嫌いに悩む親御様は多いが、面白いデータがある。
なんと、2歳前後の子どもの約半数は偏食であるそうです。
この年代の子どもの約半数が、偏食と聞いただけでも、「うちの子偏食で、、、」と悩んでいる親御様も、そんなに偏食の子どもがいるなら、そこまで悩まなくていいのかなとも思えてくるのではないでしょうか?

2歳前後の子どもの約半数が偏食ということにはある理由がありました。子どもの偏食には「自分の身を守る」という防衛本能からくるものがあるのです。
2歳前後の子どもというのは、体の発達に伴って、行動範囲が急激に広くなる時期と重なり、今まで1人ではいく事ができなかったところまで自力で行けるようになったり、手が届かなかったところへ手が届くようになったり、、
そのためいろんなものに触る事ができるようになります。子どもがいろんなものを手に取ると次に何をするかというと、口に物を運んで食べてしまいます。その際に、何でもかんでも、手に取るものを飲み込んでいては、命がいくつあっても足りなくなってしまいます。



そのため、この時期の子どもは、自分の身を守るために「何かを食べる」ということに対してのアンテナが敏感に働くようになっており、その防衛本能が「偏食」という形となって現れるのです。

これは、認知面でまだ発達段階であるために、まだ食べてもいいものなのかどうかが分からないという事が関係してると考えられているが、わからないからこそ、身体が本能的にアンテナを張って、食べてもいいものかわからないものを、何でもかんでも飲み込んでしまわないように身体を守っており、その防衛機能が、偏食や好き嫌いとなって現れている。

そのため、親御様たちが子どもの偏食・好き嫌いで「自分の育て方が悪かったからだ」「甘やかしすぎてしまったからなのか」と悩みすぎたり、自分を責めすぎたりすることはしてほしくないと心から思います。


「偏食・好き嫌い」を克服する3つの方法

偏食・好き嫌いが命を守るための防衛本能だからと言って、ただ放置をしておくわけにもいかず、どうにかしないとと思う事でしょう。なので、ここからは、偏食・好き嫌いを持つ子どもに効果的な実践方法をご紹介します。

①食材のスケッチを一緒にする
②調理前と調理後の食材の違いを共有する
③毎回同じ食材を出し続ける

食材に興味持たせる事が大切

そもそも、子どもの偏食・好き嫌いが命を守るための防衛本能だという事で、食べてもいいものなのかがわからないために、そのアンテナが働き、食べてしまわなにように制御しているというお話だった。となれば、子どもが「これは食べてもいいものなんだ」という認識を持つ事ができれば、防衛センサーにも引っかかる事なく、今まで食べられなかったものも食べられるようになるという考え方だ。
その方法の1つ目が子どもが「食材」に興味を持つ事。だが、子どもの興味を引くのはなかなか難しいこと。なので、今回は僕もよく子どもたちとやっている実践的な方法をここではご紹介します。

食材のスケッチを一緒にする


食材に興味を持つためには、子どもが食材のことを「知る」必要があります。そのために食材を子どもと一緒にじっくり観察をして、観察した様子を一緒に絵に描く事で楽しみながら、食材への興味を深めていく事ができます。

例えば、「にんじん」を観察するなら、「どんな色してるかな」「触った感触はどうかな」「へたがついてるね」「匂いはどうかな」など、色んな視点から人参を観察して、観察した様子を一緒にスケッチしてみてください。


調理前と調理後の食材の違いを共有する


そして、大切なのはここからで、食材の観察が終わったら、調理後の様子も一緒に観察をしてみてください。さっきのにんじんを例に取ると、調理がされて、火が通された「にんじん」をみて「匂いはどんなになったかな?」「固さは変わったかな?」「色は違うかな?」など、調理後のにんじんの様子をまたいろんな視点で子どもと共有をしてみてください。


そして、観察後に親御さんが美味しそうに子どもの前で食べてみてください。食材の観察を経た子どもは、自分が観察をしてきて、注意が向いている食材を美味しそうに食べているパパ、ママに興味津々。そんな状態でパパママから「食べてみる?」なんて言われたものなら、、「食べる」となる可能性がグンっと上がっている状態にある事でしょう。

何もなく、ただ「食べてみる?」「食べてみなよ」と言われるよりも、このように事前に観察やスケッチを一緒にして、興味が湧いていたり注意が向いているタイミングで「食べてみる?」と言われた方が、子どもは「食べてみたい」という気持ちが湧いて、偏食・好き嫌いの克服につながるのです。

毎回同じ食材を出し続ける


これはある研究データにある数字なのですが、回数にして15回程、苦手な食材を連続して出し続ける事で、食べられなかった子どもが偏食・好き嫌いを克服したという結果が出たそうです。
これも、最初にお話ししていた、子どもの偏食・好き嫌いの理由の原因の1つに関係していて、食べ物かどうかわからないものを食べてしまわないようにするための防衛センサーが反応しないようにするという考えからのアプローチになります。

何度も同じ食材を食卓に出すという事で、「これは食事の時に毎回出てくるから食べてもいいものなんだ」「何度も出てくる事で得体の知れないものから知っているものになってきた」という認識へと変わる事で防衛センサーの働きが弱くなり、偏食・好き嫌い改善へと繋がります。

回数は、個人差があり、回数を平すと大体、10〜15回食卓に食材を出し続ける事で、偏食・好き嫌いの改善に繋がったという結果が出ているが、子どもによっては、20回ほど出し続ける事で食べられるようになり偏食・好き嫌いの改善に繋がったという結果が出ている。




子育てに関して、継続命などの根性論はあまり解きたくないですが、今回の偏食・好き嫌いに関しては、根気強く出し続ける事で、偏食・好き嫌いの改善につながるという事が、データとして出ているので、子どもの偏食・好き嫌いでお悩みの親御さんは是非、トライしてみてください。

おわりに

今回は子どもの偏食・好き嫌いに関してお悩みを抱えている親御様に向けて書いてみました。
冒頭にも書きましたが、子どもの偏食・好き嫌いで悩む、親御様の中には「自分が甘やかしてしまったからだ」「育て方が悪いからだ」と自分を責めてしまう親御様や周囲の方からそのように責められてしまう親御様もいて、私もたくさんそのような親御様を見てきました。

そうした親御様に、子どもの偏食・好き嫌いには、味や食感が苦手といった大人の考える、いわゆるな好き嫌いの理由の他に、本能的な部分からくる偏食・好き嫌いがあるということを知ってもらうことで、少しでも気持ちを楽に自分を責めないで欲しいという想いからこの記事を書きました。また、そのことを知ることで、正しいアプローチをして、子どもの偏食・好き嫌いの克服につながり、この内容がお役に立てたら嬉しいと思います。



ですが、子どもの偏食や好き嫌いには、今回の防衛本能とは異なる、発達途上の子どもならではの理由も存在します。なので、さらに子どもの偏食・好き嫌いに関して関心のある方はこちらの内容も是非読んで、子どもの偏食・好き嫌いに関しての理解をさらに深めてみてください。