「褒める子育て」「叱らない子育て」などという言葉が近年よく言われています。これを聞いて「叱らないのは子どもを甘やかしている」「怒れない親の甘えだ」とお考えになる親御様も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は科学的に証明された子育てにおいて褒めるということがもたらすメリットというものをお伝えしながら、「褒める子育て」について一緒に考えていけたらと思います。
褒めることがもたらすメリットとは
結論からお伝えすると、お子さんを褒めることでもたらされるメリットは
- お子さんにして欲しいと思う行動が増える(強化の法則)
- お子さんとの関係性が良くなる
- 親御様の精神衛生が良くなる
上記のことが挙げられます。1つずつ詳しくみていきましょう。
お子さんにして欲しいと思う行動が増える
子どもは、ある行動をした際に、その行動を褒められることで、また褒めてもらいたい、これをするとパパやママが喜んでくれるという気持ちになり、褒められた行動をまたしようとします。
「行動→褒められる→同じ行動→...」のように、行動をした後に、褒められるということを繰り返していくことで、お子さんは褒められた行動を反復して行うようになります。
褒められたときのお子さんの行動というのは、親御様が褒めていることなので、親御様にとっても「嬉しいと感じる行動」のはずです。
親御様が「こうして欲しい」と思った行動をお子さんがした際に、褒めてあげることで、親御様がして「欲しいと思う行動」をお子さんが勝手に反復して行うようになっていくのです。
ある行動した際に褒められることで、その行動が増えていくことを「強化の法則」と言ったりします。これは心理学的に証明されているもので、私のいる療育の業界でも、よく使われています。
「お片付けをできるようにしたい」
具体例でみていきましょう。
「お片付けをできるようにしたい」と思ったとしましょう。片付けは誰だって気が乗らないものです。ですが、子どもが遊んだおもちゃなどを出しっぱなしにしていると、つい「お片付けしなさい!!」「なんでできないの!!」「箱にしまうだけでしょ!!!」なんて怒ってしまいがちですよね。
ですが、こんな時にできていないことを怒るのではなくて、できた時に「お片付けちゃんとできたね」「お片付け頑張ってくれてママ嬉しいな」「ありがとう」など、お片付けができたことをたくさん褒めてあげることで、お子さんは「お片付けしたら褒められた!」「またお片付けしたら褒めてもらえるかな」とまたお片付けをしようと頑張るようになっていきます。
とっても単純な仕組みでそんな簡単にいくのかと思われがちですが、この「褒める」という力は子どもにとって、絶大な効果を発揮します。
ですが、ここまで読んでいると
「それはお片付けがある程度できることが前提でしょ?」
「そもそもうちの子はお片付けが全くできないから、褒めるところまで行かないの」
そんな声が聞こえてきそうな気がします。
ですが、ここでは褒めることで
「して欲しい行動が増える」
ということを知っていただくことが目的なので、ここでは割愛させていただきます。
褒めるを使って「お片付けが全くできない子をお片付け名人にする育成法」を知りたい方はこちらをご覧になってみてください。
お片付け名人育成メソッド〜褒めて伸ばす子どものお片付けスキル〜
お子さんとの関係性が良くなる
普段から
「叱る、叱られる」
という関わりが多い親子関係よりも
「褒める、褒められる」
という関わりが多い親子関係の方が関係性が良くなりそうなのはご想像がつくかと思います。
子どもも「怒られる」よりも「褒められる」方が嬉しいと感じるのは当然のことですし、怒られてばかりいる子どもは自己肯定感も下がってしまい、いいことはあまりありません。
それに、何よりも大事な子どもを「怒りたい」と思う親御様もいらっしゃらないと思います。
普段、親御様とお話をしていると、できることなら、子どもの「できた」をたくさん見つけて、たくさん褒めてあげたいと思っていらっしゃる親御様がほとんどなんだなと感じます。
そんな親御様は是非、こちらの記事をご覧ください。
「褒め上手な親になる」〜子どものできたを量産する方法〜
褒めることでお子さんとの関係性を築けると、親御様の言葉が届きやすくなり、指示が入りやすくなったりしていき、さらなる関係性の向上につながります。
また、お子さん自身も安心感のある環境で伸び伸びと過ごせることで、チャレンジする力や好奇心の育成にもつながっていきます。
親御様の精神衛生が良くなる
お子さんを褒めるということは、子どもの「できた」を見つけることになります。
日頃から、お子さんのできたことをたくさん見つけて、ポジティブな言葉をたくさんかけることで、ポジティブな言葉をかけてもらうお子さんはもちろん、ポジティブな言葉を発していく親御様の心もポジティブな方向へと向いていきます。
言霊ではないですが、やはりネガティブな発言ばかりしている人よりも、ポジティブな発言をたくさんしている人の方が明るく、心も健康でいることができますよね。
そして
お子さんのできたことに目を向けて、日常的にお子さんの「できた」に意識的に触れることで
「うちの子はできる子だ」
と子どもに対する承認感が高まることで、子どもに対して「寛大」でいることができ、子どものチャレンジに対して、意欲的になれたりします。
逆に普段から怒ってばかりだとどうなるかを考えた方がピンと来る方もいるかもしれません。
普段から怒ってばかりだと、子どもの「できない」や「悪い」部分ばかりに意識がいってしまい、より怒る回数が増えてしまったり、子どものちょっとした言動にイライラしてしまったりしてしまいます。
最悪の場合には
「この子ができないのは私のせいなのか」
「私の育て方が悪かったのか」
などの想いに駆られてしまい、心を病んでしまったり、そこから虐待ケースにつながってしまうこともあります。
おわりに
今回は「褒める」ということがもたらすメリットについてお話をしてきました。
ですが、
「褒めることで全てがうまくいく」
「叱ることは絶対にしてはいけない」
そのようなことを言いたいわけでは決してないです。子育てをしていく中で時には、叱らなくてはならない場合も必ず出てきます。
これは個人的な感覚ですが、「命の危険がある」「他人を傷つけてしまう」そのような時の善悪の判断やインプットをする時にはしっかりと叱ってあげることが必要かなと思っています。
ですが、「叱る」ということが時には、子どもの「やってはいけない行動」を強化してしまい増強させてしまうケースもあったりします。
気になる方は下記の記事も参考にしてみてください。
「褒める」「叱る」の使い分けや線引きというものは本当に難しいなと感じることがよくあります。
今だに、僕は
「先生は優しいですからね」と親御様に皮肉まじりに言われてしまうこともあります(^^;
常に勉強ですね、、というわけで今回はこの辺で
それではまた(^^)/
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